未来のまちは、環境にやさしいコンクリートでつくる
まちは、人が集まって毎日を過ごす「暮らしの舞台」です。
歩く道、集まる場所、守られる空間。
そんなまちを、もっと地球にやさしく、
もっと長く安心して使えるものにしたい。
それが、CPコンクリートの想いです。


今、世界では気候変動や環境問題が深刻になり、
建設のやり方にも「サステナブル」な選択が求められています。
でも、地球にやさしいだけじゃ足りない。
強くて、長く使えて、ちゃんと未来につながるものでなきゃ
意味がない。
そんな時代に合わせて生まれた新しいコンクリート。
CO₂を減らしながら、インフラをしっかりと支える力を
持っているのがCPコンクリートです。


2025年の大阪・関西万博では、
この新しいコンクリートを、実際の会場で体感してもらえます。
未来のまちの在り方を、みんなで一緒に考えてみませんか?

CPコンクリートコンソーシアムプレイス
2025/9/23現在 268,131人


Q & A
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コンクリートの中に二酸化炭素(CO₂)を固定して、地球温暖化の防止に貢献できる新しい技術です。正式名称は「カーボンプールコンクリート」です。

コンクリートは材料の中にCO₂が化学的に結びついて取り込まれる性質があります。CPコンクリートでは、特殊な材料や製造法を使ってその吸収を効率よく、かつ大量にできるように工夫しています。さらに、使い終わったコンクリートを再利用するときにも、CO₂をもう一度吸収できるようになっています。

CPコンクリートは、強度や耐久性の面でも一般的なコンクリートと大きな違いはありません。建築や土木の現場で安心して使えるように設計されています。

高層ビルなどの超高強度構造物よりも、歩道、建物の外構、壁材などの標準的な強度の製品に適しています。

これは杉の木約10本が1年間に吸収する量と同等です。

基本的な製造工程は同じですが、材料の選び方や、CO₂をコンクリートに注入する工程が追加されています。

現在開発中の技術なので、コストについては決まっていませんが、できるだけ高くならないようにすることを目指しています。

はい、世界中で「CO₂を吸収するコンクリート」は注目されていて、日本を含む複数の国で開発が進められています。

もっと多くの建物や道路などにCPコンクリートを導入していく計画です。地球規模の温暖化対策に役立てることを目指しています。

はい、使えます。小規模な現場でも効率よくCO₂を取り込めるような仕組みが用意されています。

製造段階で内部全体にCO₂が入り込むように設計されており、完成後も表面から少しずつ吸収する性質があります。

一度コンクリートに吸収されたCO₂は放出されません。CO₂を吸収したCPコンクリートを砕いて、新しいコンクリートの材料に使うことで、CO₂の削減と資源循環にも貢献できます。

CPコンクリートが使われている場所


歩道用CPポーラスコンクリート

外構:ベンチ設置状況

歩道用CPコンクリート

車道用CPコンクリート

床版ブロック設置状況

コリドール:ベンチ設置状況

CPコンクリートの仕組み
コンクリートにCO₂を吸収させる2つの方法
CPコンクリートでは、CO₂を効率よく吸収させるための方法について、いろいろな実験が進められています。その中でも今注目しているのが、「浸漬式」と「噴霧式」という2つの方式です。
01
浸漬式(しんせきしき)
コンクリート材料となる骨材をCO₂を含んだ水にひたす方法
- アルカリ炭酸塩(CO₂が溶けた水)の中に骨材をしばらく浸して、CO₂を吸収させます。
- ただし、このときに骨材の中にあるカルシウム(Ca)が流れ出してしまわないように、pH(アルカリ性の強さ)をちょうどよく保つことが重要です。
- 今は、工場などで実際に使えるようなpH管理の方法を研究中です。

02
噴霧式(ふんむしき)
CO₂を含んだ水を霧のようにふきかける方法
- 骨材にCO₂を含んだ水(ナノバブル水)を軽く吹きかけて、さらにCO₂のガスで乾かすという方法を使っています。
- 「湿らせる → 乾かす」を何回も繰り返すことで、より多くのCO₂が中に取り込まれることがわかっています。
- ただし、繰り返すタイミング(サイクル)をどれくらいにすればベストかを今研究しているところです

なぜこんなに工夫が必要なの?
コンクリートはとても身近な素材ですが、CO₂を効率よく・たくさん吸わせるのは簡単ではありません。だからこそ、「どうすればもっと確実に吸収させられるか」「材料に悪い影響が出ないか」を細かく調べながら、実際の現場でも無理なく使えるように開発を進めています。
地球にやさしいコラボレーション
01
電気をつくるときに出るCO₂を吸収
滋賀県米原市にある「いぶきグリーンエナジー」というバイオマス発電所では、電気をつくるときに出るCO₂(排ガス)をそのまま使って、コンクリートの中にCO₂を吸収させます。

実際に固定できた量(実績)
1m3あたり 83.6kg
工夫したこと
- 排ガスには水分(湿度)が多く含まれていて、これが多すぎるとコンクリートにうまくCO₂がしみ込まなくなることがあります。
- そこで、排ガスの中の湿気を減らしたり、風の流れやあて方を工夫して、コンクリートがCO₂を吸いやすい状態を作りました。
- ガスの温度が下がりすぎないようにする工夫もしています。温度が低くなりすぎると、コンクリートがうまくCO₂を取り込めないことがあるからです。
まとめ
発電時に出るCO₂をそのままコンクリートに固定できれば、空気中にCO₂を出さずに再利用できます。この方法は、電気も作って、CO₂も減らせるという、とても効率の良い仕組みです。
02
清掃工場で回収したCO₂を吸収
板橋清掃工場で回収したCO₂ガスを使い、いかに効率よくコンクリートに固定できるかを検討しました。展示されているベンチ10個のコンクリートに、炭酸化養生という方法でCO₂を固定することに成功しました。

実際に固定できた量(実績)
1m3あたり 43kg
なぜ大切なの?
普通はゴミを燃やすと、大量のCO₂が空気中に放出されてしまいます。でもそのCO₂を「見えないけれど、コンクリートの中に閉じ込める」ことができれば、温室効果ガスの排出をぐっと減らすことができます。しかも今回のように、公共のベンチや歩道などに使えるので、まちの中で“環境にやさしい素材”が使われるという良いサイクルが生まれます。
※炭酸化養生って何?
コンクリートが固まるときにCO₂を吹きかけて、そのまま中に取り込む技術です。
